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赤浜地区にある仮設住宅の雁木で育てるちいさなコミュニティ

仮設住宅棟間に北国で伝統的な雁木(アーケード)をかけてつなぐ。

雪の日雨の日にかかわらず行き来でき顔を合わせる事で、住民同士のコミュニケーションを良くします

 

背景

3月の地震と津波で大槌町赤浜集落は住民900名のうち約100名が死亡行方不明になり、住宅300戸のうち200戸を失い、100名余の被災者が仮設住宅には移り住みました。しかし仮設住宅の生活の長期化が予想されるのに、入居者の無選別と住民の行き来しにくい住宅棟の配置の為に日々のコミュニケーションが不足です。
集落再興の貴重な人々なのに、阪神大震災の時のような孤独死や自殺者が心配です。

目的

当計画は階段状に並列配置された住宅棟相互を結ぶ、アルコープ付きの雁木(アーケード)と階段を地場材と住民主体で造り、小さな単位のコミュニティの形成を担います。また北国の伝統的技術の雁木は被災者の士気を高めます。予算396万円。

赤浜仮設住宅コミュニティ支援グループ

津波で壊滅的災害を被った赤浜集落は防災と再興の為にマスタープランから始めなければならない為、仮設住宅の生活の長期化が予想される。しかし仮設住宅は居住期間を2年で計画しているため、住民のコミュニケーションまで配慮されていない。心の通い合いあわない生活の長期化は住民の疲弊を招き、赤浜再興にとっても良くない。
そのような状況を打破し、仮設住宅の住民に活力を得てもらう事を目的に支援活動をしている。
グループは岡本大作を代表に地元の有志で構成。代表の岡本は生まれてから63年間赤浜で暮らし、造船業を営み広く三陸の漁民と交流がある。また、大槌町町議会議長を長いこと奉職し、町政にも通じている。

企画の場所

岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里26?5 大槌町吉里吉里第4仮設団地.
赤浜は海の幸山の幸が豊富で、気候は夏期は温暖だが冬は積雪し寒さが厳しい。古くからの集落で、縄文土器が発掘された小学校の裏山の段々畑を整地して仮設住宅は造られた。赤浜の地名の由来ともなる赤い粘土、裏山の杉や赤松、浪板の石など当計画に必要な建築材料を地場でまかなえる。幸い製材所は被災を免れた。

段々状の敷地に建つ五つの仮設住宅棟を雁木と階段で結ぶ。菜園と花壇は別のプロジェクトで住民が設ける予定

仮設住宅棟間に北国で伝統的な雁木(アーケード)をかけてつなぐ。
雪の日雨の日にかかわらず行き来でき顔を合わせる事で、住民同士のコミュニケーションを良くします。雁木を伝統的木造技術で建てることは、被災者に自分たちの生活文化の誇りを呼び覚まします。雁木の途中にアルコープを設け、雁木を通る人々が気軽にいつでも溜まれて日常の会話が花開くようにします。雁木の先には共同菜園と花壇をもうける予定です。住民が一緒に汗をながし作物を育てます。菜園がある事で雁木の利用がより活性化すると思われます。
雁木と共同菜園で育つちいさな単位のコミュニティは、仮設住宅全体のコミュニケーションを良くし、赤浜集落の再生にも寄与すると期待します。

雁木は伝統木構造で建てる。何もかも失ってしまった被災者に、受け継がれてきた木造技術に日々接する事で、自分たちの文化に誇を感じてもらい復興の士気を高めてもらいたい。また木を組むことは力を合わせるコミュニティを象徴している。

構造金物無しで木を組んで建てる