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ワークショップ・見学会 活動内容

伝統木構法(風の谷保育園)見学会レポート

2008年5月25日(日曜日)

伝統木構造で建てられたという風の谷保育園に見学に行って来ました。

エントランス外観

つい最近まで保育園に勤務していたこともあり、建築のことはわから ないけれど、 保育園の見学を楽しみにしていました。 枝のついた自然のままの柱がにょきにょき立っているポーチを通って保育園に入るとすぐに ひのきの香りがプ〜ン。その心地良さに思わず深呼吸。

吹き抜け0歳児保育室デッキ1〜2歳児保育室

内部は私の想像を遥かに 越え た素晴 らしい保育環境でした。机や椅子はもちろんのことおもちゃやトイレのドアに至 るま で本物 の木、木、木。自然と保育が一体になっている理想の保育環境でした。

階段3〜5歳児保育室

乳幼児の 部屋 に備え 付けられた滑り台、各クラスの部屋にはこんな所でお昼寝したら良く眠れるだろ うな 〜と思 わせる無農薬の畳。園庭にある大きな杉のウロのお家、いたる所に施され、楽し くな りました。

そして何より驚いたのが給食室とランチルームが園の中心にあること。 食が生活の中心にあるのです。食育が大事なことだと思いました。素敵な、そして温かい保育園でした。

是非こんな保育園が日本中に出来て欲しい!と願います。(K)

・・・・・・

参加者Kさんからの報告:

当日は午前に同じく伝統木構造で建てられた住宅の見学会もあり、 こちらは大工の棟梁が建てられたしっかり、ずっしりとした和風建築の住宅でし た。 それに対して風の谷保育園は、和風というイメージの強い伝統木構造の間口を もっと広げてくれるような軽やかでインターナショナルな印象の素敵な建物でし た。

まず建物の入口に立つと、ポーチの丸屋根を支える柱が自然の木の幹の姿をして いる ことに思わず笑みがこぼれてきました。この木は単なる装飾ではなく構造を兼ね てい て、施工された大工さんの苦労が偲ばれます。子供達はそんなことは お構い無しでしょうが、きっとここを通る時に森の中に入っていくような楽しい 気持 ちになることでしょう。

園舎に入ってすぐに目につくのは建物の中心の位置にある樹齢400年の桧の丸太柱 と それを囲むように取り付いているらせん状の木の階段です。階段と手摺には子供 達が 転落しないように細やかな配慮がなされてます。実際に階段を昇り降りすると 室内のあちらこちらが見えて楽しい気持ちになります。

園舎はこの階段を中心にして両翼に延びる形をしていて、1階が年齢別に分けら れた 保育室とランチルームや事務室などで、2階は地域の子育て支援センターになっ てい ます。 保育室やランチルームは吹き抜けになっていて広々とした開放的なつくりです。

この吹き抜けの大きな空間を支えているのが、この園舎の特徴ともいえるアーチ 材と 呼ばれる曲線梁です。このしなやかなアーチが、何か日常と違う楽しさや柔らか さと いった雰囲気を醸し出しているようです。 アーチ材は集成材でなく桧の間伐材を縦に3分割したものを曲げて用いられたそ うで す。その発想とそれを支えた技術が素晴らしいと感じました。

園庭に面した保育室の大きな掃きだし窓からは屋外に木製のデッキが延びていて 、 建物の内部と外部が連続的につながっています。子供達が元気にはだしで遊び回 る姿 が目に浮かぶようです。またこの窓からは沢山の光と風が入ってきますが、 風は吹き抜け上部の天窓から抜けていく仕組みになっていて、なるべく機械に頼 らな いで室温を調整出来るように計画されています。 園舎の構造材は木曽桧、ヒバ、杉、栗など、造作材や床材は杉や桧、建具や家具 も 杉や栗や胡桃と全て国産の無垢材が使われていて、見るだけでも温かさを感じますが 足や手で触れるとその感触の良さに気持ちが落ち着きます。

他にも壁は漆喰塗りや和紙張り、木部に使用されている塗料も米ぬかオイルなど 子供達が口にしても安全な材料が使われています。 このような材料の選択や、子供の手が挟まらないよう考慮したドアなど子供達の 安全 を考えた細やかな配慮が随所になされていながら、全体としておおらかな森のよ うな 園舎だと感じました。

この素敵な園舎で園長の素晴らしい教育方針のもと、一人でも多くの子供達が安 心し てのびのびと育まれていって欲しいと思います。

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